もっと、上手になりたい。純真でメジャーに挑んだ、永遠の野球少年。

第1回 松井稼頭央さん メジャーリーガー

2008年12月15日

インタビュアー 丸山貴宏

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松井稼頭央さん
  • PROFILE
    松井稼頭央(まつい・かずお)
  • 1975年大阪府生まれ、メジャーリーガー。PL学園高校時代は投手として活躍、甲子園にも出場。
  • 1994年、ドラフト3位で西武ライオンズに入団。内野手、スイッチヒッターに転向。
  • 1997年には62盗塁で盗塁王になるなどリーグ優勝に貢献。 同年のオールスターゲームでは1試合4盗塁の新記録を樹立してMVPを獲得。1998年にはシーズンMVPを受賞。2002年にはスイッチヒッターとしては史上初の3割30本塁打30盗塁の「トリプルスリー」を成し遂げ、「センチュリーベストナイン」にも選出。2004年、メジャーリーグのニューヨーク・メッツにFA移籍し、初の日本人内野手メジャーリーガーとなった。
  • 2004年の開幕戦では、メジャー史上初となる開幕戦新人初打席初球本塁打を記録。その後は怪我もあり、2006年シーズン中にコロラド・ロッキーズへトレード移籍。。
  • 2007年はプレーオフで逆転満塁本塁打も放つなどリーグ優勝の原動力に。ワールドシリーズでは、岡島秀樹や松坂大輔が所属するボストン・レッドソックスとの対決となり、史上初の日本人直接対決が実現。
  • 2007年オフ、ヒューストン・アストロズと3年1,650万ドル(推定)で契約して移籍した。
Next update 松井稼頭央氏
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メリットやデメリットを超越した向上心。

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メリットやデメリットを超越した向上心。

ロッキーズでは、ワールドシリーズ出場の原動力となった松井稼頭央さん。だがそのオフ、新たな道を選択する。2008年からの3年契約で、加入を熱望されたヒューストン・アストロズへとFA移籍。3年推定1,650万ドルという大型契約は、アメリカで実績を残してきた彼への期待の表れでもある。堂々たるメジャー屈指の二塁手となったが、「永遠の野球小僧」は、さらなる高みを見つめている──。

「選択した時点で悔いがない以上、結果がどうあれその選択は成功だと思いたい」

丸山:
ロッキーズでの大活躍後、残留を望むロッキーズを始め、多数のチームからオファーがきました。そこで松井さんは、環境を変えて、アストロズへと「転職」する道を選択しました。あえて新天地を選んだ心境を聞かせていただけますか。
松井:
「ワールドシリーズまで行ったことは嬉しかったですけど、もちろん満足しているわけではありません。心機一転、もう一度勝負がしてみたかった。他のチームで、どこまで自分がやっていけるのか知りたいという思いもありましたし、監督が熱心に本気で誘ってくださったということもありました。一つのチームでずっと活躍することがベストなのかも知れませんが、メッツでそれができなかった以上、もう僕には、怖いものなどなにもなくなりました。移籍をすれば、環境だけでなく、気持ちを変えることもできます。新たな仲間と、新たな気持ちで、また挑戦する。移籍しないほうがいいとか、いろいろ助言してくれる人もいましたが、人がなにをいおうと、また、結果的に移籍しないほうがよかったとしても、僕は、僕自身の選択に悔いはありません。選択した時点で悔いがない以上、その選択は、結果がどうあれ成功だと思いたい。あとはもう、思い切りやるだけです」
丸山:
ここまで松井さんのお話をうかがっていると、野球少年のような純真さを感じます。
松井:
「僕は野球を9歳で始めて、今年で24年目になります。人間はどこで大人に成長するのか、その基準が僕にはわかりません。僕は、野球をしている限り、少年のままでいいかなと。野球が好きで、上手くなりたくて、試合を楽しんで……。その気持ちさえあれば、どんな苦労も苦労ではなくなりますから」
丸山:
最後に、今、転職を考えている30代、40代に、力強いメッセージをお願いします。
松井:
「僕はメジャーに来くるとき、成功できるかどうかなんて、まったく考えませんでした。なにがメリットで、なにがデメリットかも、まったく考えませんでした。間違いなく苦労することになるだろうとは思っていました。上の世界に飛びこむということは、すぐに成功を望めるほど、甘いものではありませんよね。でも、僕のことでいえば、野球選手は現役でいられるのが長くても20年くらい。その短い中で、メジャーから声をかけてもらえるチャンスなんて多くない。仕事が好きで、もっと自分を高めるチャンスに恵まれたなら、思いきって挑戦してもいいのではないでしょうか」

<了>

構成/平山譲

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