連続する苦悩のなかで掴んだ、輝かしい栄光をもかなぐりすて、挑みつづける、野球道の極みへ。

第5回 プロ野球球団代表 米田純さん

2009年4月20日

インタビュアー 丸山貴宏

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米田純さん
  • PROFILE
    米田純(よねだ・じゅん)
  • 1963年 神奈川生まれ 小学校3年生より野球を始める
  • 1979年 神奈川県立平塚江南高校に入学 軟式野球部で関東大会ベスト4入り
  • 1982年 早稲田大学教育学部教育学科体育学専修に入学 体育会準硬式野球部に所属
    東京六大学リーグ戦優勝3回、全日本選手権優勝1回
  • 1986年 株式会社西武百貨店に入社 池袋西武紳士服売場に配属
  • 1990年 池袋西武営業企画部に異動。各種プロモーションをプロデユース。
  • 1994年 本社店舗運営部営業分析課に異動。全32店舗の営業数値分析業務を遂行する。
  • 1998年 つくば西武販売促進課長として赴任。地方の標準店舗の経営に携わる。
  • 2002年 本社営業企画部に異動。
  • 2003年 楽天株式会社に転職。部長として既存顧客マーケティング部署の立ち上げに携わる。
    「楽天ポイント倶楽部」「ポンカンキャンペーン」などポイントを活用した営業プログラムや仕組みを構築。
  • 2004年 9月より「楽天野球団準備室」と兼任。50年ぶりのプロ野球新規参入手作業に携わる。
    11月に新規参入決定後、取締役チーム統括本部長兼球団代表に任命される。
Next update 米田純氏
「悔いの残る野球人生」からの出発。

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未来を大きく変える転職への勇断。

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球団代表としての苦悩と歓喜。

2009/4/13

個人の目標から、夢の共有へ。

2009/4/20

個人の目標から、夢の共有へ。

秋季キャンプの球場すらなく、ユニフォームも真っ白のままスタートしたチームを、わずか5年で、スタッフと一丸となってクライマックスシリーズ出場も視野に入るところまで育て上げた楽天球団代表の米田さん。これからの目標は、もちろんチームを日本一にし、常勝軍団へと育て上げること。しかしそれのみならず、自身のキャリアを客観視し、さらなる夢をも追いかけてみたいとも話す。転職を機にやりたい仕事にたどりつき、そして成功を勝ちとった米田さんからの、転職を考えている30代、40代へのメッセージとは──。

「小さくてもいいから夢を見つけて、それを大切に抱き続けること。その夢に向かって、チャンレンジする気持ちを失わないこと」

丸山:
「野球を職業に」という夢を叶えた米田さんですが、ここまでの半生、これを欠かしてしまっては、夢を成し遂げられなかったという要素があるとしたら、どんなことが挙げられますか?
米田:
諦めない、という精神でしょうか。自分のビジネススキルは、最初はまったくなかったといってもいいほどで、心の中では、いつもピンチを迎えていました。企画書を徹夜しても一行も書けなかったり、数字の世界に行って自律神経失調症になりそうになったり、血尿を出しながら仕事をしていたこともありました。でも、そんなとき僕は、ピンチをチャンスだと捉えていました。これらの仕事を、途中で投げ出すことなく最後までやり遂げることで、自分のキャリアは構築されてゆくんだと。徹夜して一行も書けなければ、もう一晩徹夜してみようという勢い。そして、諦めない姿勢を貫いていれば、周囲の人が、手を差しのべてくれることもあります。そうした人の支えに感謝しつつ、努力して一つひとつの仕事を完成させてゆく。その連続が、いまの自分につながっているような気がします。
丸山:
20代から30代にかけてと、いま、40代に入ってのキャリアのなかで、精神的にどんな部分が変わり、どのように成長したと実感されていますか。
米田:
サラリーマンの世界ですから、若い頃は出世したいという気持ちが強かったです。等級を上げてゆくことにおいて、人には負けたくないと思っていました。でもいまは、そういう個人的なことではなく、チームをゼロから作って、それを今度は、どうしたら勝ち続けるように育て上げられるか。スタッフの夢、ファンの夢、地元の夢、その期待に、どうやって応えていけばいいのか。この仕事は、苦しいこと、嫌になることなど、数え切れないほどあります。いつ辞表を出してもいいというような覚悟も持って仕事に臨んでいます。でも、苦しいな、嫌だな、そう思ったときに考えるのは、「なんでこの仕事をしているのか」ということです。みなさんの夢、チームを日本一にという夢を思えば、まだまだ一生懸命やらなければ駄目だと、そう思えます。
丸山:
最後に、いま、転職を考えている30代、40代に、力強いメッセージをお願いします。
米田:
小さくてもいいから夢を見つけて、それを大切に抱き続けること。目の前の仕事に忙殺されることもあるでしょうが、その夢に向かって、チャンレンジする気持ちを失わないことも大切だと思います。それと、キャリアを積みかさねるにあたって、そのときどきで自分の人生に影響を与えてくれる人を見つけること。自分が一番になってしまうのではなく、いつでも人に憧れている謙虚さとか、人に触発されて大きなことを成し遂げようとする柔軟性とか、人を励まし、励まされて前進していく思いやりとか。僕は、一緒に働いているメンバーが好きですし、いまは後輩に頼られている部分もあるので、自分が頑張らなければならないという責任感もあります。人は、人に支えられ、ときには人を支えながら、大きくなってゆく存在だと思っていますから。

<了>

構成/平山譲

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